2019-02-01から1ヶ月間の記事一覧
落語の「猫の茶碗」では、2人の商売人のやりとりに連れ、猫の価値と茶碗の価値が上下する。この、価値のないところに価値を生み出してしまう話は、聴衆の射幸性と好奇心に訴える。同様な価値の高下は製造業でも数年単位で起きる。例えば、半導体業界では、19…
2月16日に朝日カルチャーセンターで、コンセルトヘボウの第1バイオリン奏者である岩田恵子氏の主宰する弦楽四重奏を聴いた。曲目は、ベートーベンの作品18-1弦楽四重奏第1番と作品95セリオーソ。4人の演奏者の個性が存分に発揮された良い演奏だった。オー…
我慢強いことは美徳である。辛い作業も、娯楽に身を任せたい気持ちも我慢して、精進を重ねた結果、やりたかった仕事を射止め、優秀な成績を残すのは、尊敬に値することである。しかし、家族、隣人、同僚と社会生活を営む上では、我慢が美徳と思っているのは…
今日やらなければならない無数のこと、とりわけ昨日までにできなかった無数のことを終わらせるために、わたしは未明に起床する。その中には、人から頼まれて引き受けたことと、わたしが率先してやりたかったことが含まれる。それらを完成する為に、飲まず食…
政治家と政治評論家の詭弁に接する度に、事実に基づく論理的な議論なくして、意見を異にする者の間の対話は成り立たない、と痛感する。しかし、現実には、少なからぬ国民がそれらの詭弁を詭弁と思わず、かえって詭弁の信者となってそれを拡散している。風通…
2月3日に、東京文化会館で、リッカルド・ムーティ の指揮するシカゴ交響楽団によるチャイコフスキー交響曲第5番を聴いた。第1楽章の冒頭が、荘重なコラールのようで印象的だった。その記憶を留めておきたいと思い、帰りにスコアを買い、家で眺めていたのだが…
ドイツの銀行口座の明細が届く。欧州を引き払う際の入金と出費が、しがないサラリーマンのものとは思えないくらい激しい。これを見てドキッとするのは、消費を悪徳と戒める賃金労働者の倫理が我が身にも息づいている証拠だろう。限られた貯えを使い果たせば…